雛人形の選び方ー2:どこで買うか | 続・ここはひとつ、高齢出産で!〜子育てモノ語り〜

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プーさんの初節句を祝うお人形について、二転三転したが、じーじの鶴の一声で急遽親王飾りを買うことに決めた我が家。
そうなると、どこで買うかが大事になる。というのは、買うことに決めた時点で1月二週めに入っていて、1月の4、5の週末は私が用事があって出かけてしまうので、お店に出向いて買うとなると猶予は2回の日曜日のみだったのだ。節分の後に飾るとなると1月中には決めたい。

既に地元で最も大きな人形店はチェック済みで、これといってピンとくるお人形がないのはわかっていた。そうなると、地元(といっても車で1時間以上かかる)の小さいが老舗と噂の店に行くか、ベビーザラス、赤ちゃん本舗のような赤ちゃんグッズ店かデパート、ネットだ。

まず、赤ちゃんグッズ店だが、ちょうど1年前妊娠中に行ったときにもいくつか見かけたが、とにかく選択肢が少ない。デパートは特設会場でもあれば、ある程度選択肢はあるだろうが、お人形の説明を聞きたくてもあまり専門知識が店員さんにないと、結局は納得できなさそうだ。そして、何より、これら2つは正月の週末は福袋商戦でごったがえすインフルエンザの巣だと思うと、プーさんを連れて行きたくない。

となるとネットはというと、やはり実物を見ることができないのが不安だ。
ただ、ネットの人形屋さんはそれぞれ工夫をしていて、「良い人形の選び方」を紹介してくれていることが多い。これはとても参考になった。特にAll aboutの記事 とこのお店(十二段屋
)の情報は役に立った。

それまで雛人形選びは、好みの顔できれいな衣装を着ていればいいのかと思っていた。先に行った地元の人形店でも、人形はすべてきれいに段に飾られていて通路から眺めて「あー、この顔はいいね。衣装もきれいね」と選ぶようになっていた。高価なものだから触ってはいけないのかと思っていたのだ。もう少し人形の顔を見たいなと言うときは、手袋をした店員さんが恭しく段から取り出して目の前に掲げてくれるだけだったし。(だから、それだけの品選びの仕方でポンと20万円も出す気になれなかったのだが)

しかし、本当の人形の善し悪しは、実際に手にとって間近に見ないとわからないというのが、これらのサイトに教えられた。
実際の重さ、光の角度によって変わる顔のニュアンス、着物の質感、着せ方、そして存在感・・・

ということで、ともかく「ちゃんと説明をしてくれて実際に手にとって見せてくれる店で買いたい」となった。でも貴重な時間を遠くの地元の店1軒で費やすのは効率が悪い。そして今回のお人形の出資者である、じーじばーばの意見も聞く必要がある。となると我が家と実家の中間点でお人形をちゃんと選べるところ・・・

そうだ、岩槻 だ。
言わずと知れた、関東では有名な人形の町だ。

それで、2回ある日曜のうち1回は「下見のために、明日行こう」と土曜の夜に決まった。さっそくネットで「岩槻 人形店 口コミ」でググると、何件かの口コミ で「ここはいい!」と評判 だった店がヒットした。それが小木人形 だった。
岩槻駅前にはわんさかと人形店があり、1軒1軒プーさんを抱っこして回るのは不可能。なので、1日目は駅から離れている小木人形をじっくり見て、2日目に駅前の店を見ればと考えた。それにこの店のサイトを見ると「授乳室あり」と表示。これもポイント高い。

先に見て回った地元の店は授乳室どころか、トイレにオムツ換えシートもなかった。これでは赤ちゃん連れで1時間以上品選びをすることはできない。当たり前のことだが、初節句を祝う子はすべて0歳児だ。こういう配慮は実はあって当然なのに、それがない店も多い。

それで、じーじと現地集合で日曜の昼前に岩槻へ。

工業団地の中にあるのでちょっとわかりづらい立地。店を見落としてしまいがちなのだ。そのため、この店は岩槻駅からタクシーで来店の場合タクシー代を負担するというサービスをしている。

店に入ると、一歩先に店に入ったじーじと店員さんが談笑中。入り口に白い手袋が箱に積んである。つまり「自由に手にとって見てください」ということ。やっぱり!ちゃんとした店では手にとって見せてくれるんだ、と嬉しくなった。

人形選びを始める前に、プーさんに授乳しておこうと、授乳室を借りた。また嬉しくなった。
部屋は3畳ほどの畳敷きで、赤ちゃん布団が敷いてある。赤ちゃんのオモチャもある。
デパートなどの授乳室は椅子やソファが多いが、授乳とおむつ替えが同時にできない。畳敷きだとそれができるし、ぐずる場合には添い乳もできる。

ありがたい。こういう配慮から、「ゆっくり見て、納得いくお人形を選んでくださいね」というお店のメッセージが伝わる。

ということで、プーさんをじーじに抱っこしてもらって人形選び開始。
そこで、またこのお店のサービスの良さを見た。人形を選び始める前に、「人形選びはどこを見るべきか」をきちんとレクチャーしてくれたのだ。前日までに各種サイトでチェックしていたような内容だが、実際に人形を手に取りながら、工程を省いて作ってある人形とちゃんと作った人形を見ると差は歴然だった。最初に小木人形で見て、他の店を見に行った客がまた小木人形に買いに戻ってくる、という話を他の購入者のブログで読んだが、なるほど、これならそうだよね、と実感した。

結局2時間程度見て、人形が決まった。
よく「この人形に惚れ込んで買った」という話を聞いていたが、ここの人形を見るまではその感覚がわからなかった。
しかし、店内の人形をざっと見て回った時点で、既に3組の親王に絞り込まれ、時間のほとんどをこのうちのどれにするか?に費やした。
そして「予算的にもサイズ的にも予定より上回るのだけど、どうしても目がいってしまう」と感じた人形に決まった。夫も同意見で「この人形は他にない圧倒的な存在感がある」と言ったのが決定打になった。ああ、これが「人形に惚れ込む」って事なのね。

その時はその人形の作家の事もよく知らないまま「存在感」だけで決めてしまったが、後で調べてみるとどうしてあの人形にあれだけの存在感があったのかがわかった。